本年3月31日、グラッソ株式会社は１０期の決算を無事に迎えることができました。おかげさまで、今は毎日のようにたくさんのお客様が私たちの会社を訪ねて来てくださいます。経験豊富で、優秀なスタッフにも恵まれています。
しかし、創業期は立った二人でした。工事現場の仮設トイレを備えたプレハブの仮設事務所がスタートでした。資金もなく、信用もなく、問い合わせ、電話もない。時間を持て余すことに、不安と焦り、重圧ばかりがのしかかった日々を思い出します。
創業にあたり、「お客様から喜ばれ、感謝され、絆を広げていく会社にしたい」との想いから社名をグラッソにしました。創業時から私には、「会社を大きくしたい」との思いはありません。その想いが通じてか、これまでたくさんのお客様、取引業者、社員に恵まれてきたと思います。その積み重ねや結ばれてきた絆の結果が今のグラッソの「成功」であると考えています。
しかし、ここで自分たちの在り方、会社の在り方を間違ってはいけないと常々、自分に言い聞かせています。「『成功は失敗のもと』となる危険性がある」。これは、ユニクロの柳井社長の言葉です。世の経営者の中には、「成功した」ことに慢心し、まるで大経営者になったかのような錯覚に陥る人がいます。その瞬間、会社は衰退の道を歩みます。柳井会長の言葉から私たちは、成功体験を基に同じことを続けているだけでは、絶対に『成功の復讐』にあうという戒めを忘れず、これまでお客様に評価されたグラッソの本質を日々考え続けることを肝に銘じなければなりません。
私自身は、この10年間、グラッソ株式会社を育ててくださったお客様に感謝し、創業時の想いに原点回帰して、初心貫徹、お客様に更に喜ばれる住宅を提供していく所存です。
グラッソ㈱代表取締役 小西宏忠
